NO.060 間に合わなかったダンスの授業
少女はバーのかたわらで爪先立ちをし、朝の光が斜めに姿見を切り、流れるような腰のラインに細かな影を落とす。時計の針は静かに進み、空気にはスタジオの松ヤニと汗の香りがまだ漂っている。レンズは靴ひもを結ぼうと頭を下げた瞬間を捉える。その表情には優しさと慌ただしさが交錯している。ほどけた髪の毛、留められていない襟元が、約束の前にあったすべてのためらいと駆け出しを物語る——この授業はもう間に合わなかったけれど、その気持ちだけはひときわはっきりと絡み合っている。
咬一口兔娘







